2023.12.28

悩める全母親へ 「日本の母親にとって育児=楽しいものにします」

悩める全母親へ 「日本の母親にとって育児=楽しいものにします」

株式会社MAMALADYは「楽しい」を軸に活動している創業6年目の会社だ。どのライフステージにおいても自分らしく思いきり楽しめる社会を作り、また、日本人女性にママであることを楽しんでもらえるコンテンツの提供をしている。今回は同社のCEOである明石奈々氏に活動内容を取材させていただいた。

完璧だった母の失踪と気づき

明石氏は株式会社MAMALADYのCEOをする傍ら、北海道観光大使や北海道子どもの未来づくり審議会委員も務めている。InstagramやYouTubeなどのSNS総フォロワーは3.6万人以上とインフルエンサーとしても活動している。自身も7歳の男児の母親である。


明石氏は自分の子供時代を振り返り、一日に10冊本を読み聞かせてもらったり、食事は全て手作りのものだったりと、とても真面目な母親の元に育ったと話した。ある日、頑張りすぎた母親は明石氏が中学生の時に失踪してしまい、その際に「お掃除もお料理もきちんとやってくれなくていいから笑っててほしかった(原文ママ)」と気づいたそうだ。


しかし、その後自分が母親になった時に「いい母親になりたい」という思いで、自身の母親の用に頑張りすぎていること、また周りの母親も同様であると悟った。必死に頑張らなくても肩の力を抜いていいのではないかということを伝えるために29歳の時に株式会社MAMALADY創業した。


同社の企業理念は、「ママになってからの人生を思いっきり楽しむこと」だという。妊娠中や子育て中でライフステージが大きく変わる日本女性が、どんな時でも自分らしく楽しんで生きられる社会を作ることを目標としている。そのためにママであることを楽しんでもらえるコンテンツを提供している。

2000人のママとの交流で見つけた課題

「ママに特別な一日を」をテーマに、ママレディーパーティーというイベントを開催し、現在までに2000人ほどの母親が参加した。イベントに参加する母親に子育てに対する悩みや問題点をヒアリングし母親の視点での課題は、相談できるママ友がいないこと、初めての出産で育児グッズがわからないこと、そして商品の比較検討する時間がないことだとわかった。


一方で企業側も生活者や母親とのリアルな接点がないことや購買につながる製品PRができないという課題があった。そこで、双方の課題を解決し母親と企業をつなぐために明石氏はMamaLady Boxというサービスを開始した。

妊娠中・子育て中の母親が受け取れるMamaLady Boxとは

MamaLady Box Hokkaidoとは育児用品や母親のためのケアグッズの製品サンプルを、リボンをかけた箱に入れて頑張る母親へのプレゼントという形で贈る活動だ。その後、商品を受け取った母親にアンケートを書いてもらい、その回答結果を企業に送ることで、企業は商品開発に役立てることができる。MamaLady Boxを受け取るとMamaLadyコミュニティに参加でき、育児の情報交換が可能となる。「母になる人への贈りもの運動」として北海道の自治体とも協力しており、母子手帳交付時に北海道で出産する28000人すべての妊婦へMamaLady Boxの案内を配布している。また、道庁のホームページにも掲載されている。


全国版のMamaLady Box×moratameは利用者が送料を支払って2倍相当の育児用品を試すことができるものとなっている。企業は商品提供のみで、料金を支払ってでも試したい興味関心の高い母親がターゲットとなっている。現在5000件ほど配ったうちの約30%が口コミを投票しており、企業からも好印象だと言う。


MamaLady Boxは母子手帳交付時に案内をされるという安心感や、年齢・地域・世帯年収・居住状況・興味関心などの項目別で対象となるユーザーに合わせて案内をしている点、自然発生的なナチュラルな口コミが期待できるという特徴がある。

妊娠・育児中の母親に「楽しい」を感じてもらうために、2000名以上のママと直接対話して誕生したMamaLady Boxには二つのこだわりがある。一つ目に、届いた瞬間にSNSに投稿したくなるようなデザインのプレゼントボックスで届く点だ。二つ目に、ママを中心とした編集部がセレクトした商品をお届けするという点である。商品を選ぶこと、お買い物すること自体を楽しんでもらう狙いがあるそうだ。

リアルとSNSがかけ合わさったサービス

株式会社MAMALADYではMamaLady Boxの他にも「MAMALADY PARTY」や「本気のお店屋さんごっこ」というサービスも展開している。サービスの展開としてイベントやSNSやコミュニティがあるためSNSだけのつながりだけではなくイベントで実際に会うことができ、直接母親の意見を聞くことも可能にしている。明石氏はこの点について「リアルとSNSがかけ合わさったところがMAMALADYらしさ」だと話している。

明石氏の見つめる未来

今後の展望としては「育児用品のサブスク販売」を目標にしているそうだ。現在MamaLady Boxではオムツやミルクなど国内の様々なメーカーとの繋がりがあるが、その中で気に入った商品を定期購入できる形にしたいと明石氏は説明する。また、購入者によるアンケートを生かしてオリジナルの育児用品の開発や販売も視野に入れていると言う。海外目線でのマーケティングで日本の育児用品を海外へ届けることも目標のうちの一つだと語った。


日本の母親にとって育児が楽しいものという認識にしたいという思いで活動する明石氏の今後の活躍を期待したい。

©︎2023 MamaLady